堤経営法務事務所
代表 特定社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー 堤通孝
〒870-0165 大分県大分市明野北5丁目5番6号
起業においては、すべてを自己資金で賄える場合も少ないでしょうから、起業時には公的金融機関等を利用するなどして、事業のための資金を調達する必要が出てくることも多いと思「ます。ここでは、公的金融機関からの融資を受けようとする場合を念頭に、起業時の資金調達についてイメージが持てるよう基本的な考え方を説明していきます。
1.設備資金と運転資金を区別する
事業経営のために用意した資金は、事務所や店舗、機材などの設備に回す設備資金と、仕入れや光熱費、人件費といった毎月の固定費に回す運転資金とに分けることができます。
どれだけの運転資金を用意するかは、経営しようとする事業の内容や経営者の環境によってもまったく異なってきますが、特に家族を養っているサラリーマンが、脱サラして起業するという場合には、できる限り多く見積もっておくべき資金となります。起業後の資金に余裕がないと、利益を得ることを 焦るあまり、採算の合わない仕事を引き受けてしまいがちですし、その結果として経営判断を誤ってしまいかねません。
2.融資は設備資金に対して回すことが基本
資金は、上記のように設備資金と運転資金に分かれますが、金融機関は基本的に運転資金は融資してくれないと考えましょう。設備に対する資金であれば、投資した設備によって何らかの価値が生産され、それが換金されることになりますから、資金回収と直結しているので融資は下りやすくなります。対して、運転資金は言ってしまえばその生産のために必要となる雑費のようなものですから、資金の回収に直結していません。そこで、金融機関に融資を申請するという場合には、日々の業務に利用する設備に対してというのが基本になります。
どのような融資が受けられ、それをどう活用していくかは、経営者ごとにそれぞれ異なります。しかし、「開業したら思った以上に早く運転資金が足りなくなってしまった」とか、 「景気の悪化で月々の支払いに不安が出てきてしまった」という理由で融資申請をされる方が多いようなので、運転資金と 設備資金の関係については当初から厳密に計画すべきでしょう。
3.起業・開業時にこそ融資申請を考える
融資申請は起業から時間が経つほうが難易度が上がってしまうのです。起業時であれば、事業計画書と無理のない収支予定表によって説得性を持たせることができるなら、担保や額にもよりますが(そしてなにより、自己資金がいくら準備できるか、経営者が信頼に足る人物であるかによ りますが)、融資が下りる可能性は高まります。しかし実際の収支が出てしまっては、「いやいや、融資してもらえば来月からグッと売上が増加する予定なのです」と言い訳をしてみてもはじまりません。
自己資金率が高くてもそうなのですから、低いならなおさら"起業時の融資申請"を要検討です。
4.日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫)の利用
起業や開業にあたっては、銀行や信用金庫からではなく、日本政策金融公庫(旧国民生活金融公庫=国金)か信用保証協会を通した自治体の制度から融資をしてもらうのが一般的です。銀行等は実績がなければ資金を貸し付けてくれませんので、まさにそういった銀行が融資しない、実績のない事業を対象とする、日本政策金融公庫や制度融資を利用していくことになるわけです。
ここでは、日本政策金融公庫を例に、融資までの流れを簡単に紹介します。日本政策金融公庫は、銀行のように営利が第一の目的ではなく、中小企業や個人事業を活性化することを通して、日本経済を発展させることを目的としています。そのため金利も低く、担保や保証人の面でも、開業時には大変に利用しやす い公的金融機関になっています。
(1)申請すれば必ず融資がなされるわけではない
日本政策金融公庫などが実績のない企業にも融資してくれるという情報を聞いて、申請さえすれば通常は融資してくれるものなのだろうと軽く考えてしまう人もまた多いようです。しかし、公的なものであっても金融機関は金融機関です。返済が可能な計画があり、その計画の元に信頼できる人物が経営しているんだと いう確認がとれないと、融資はしてもらえません。
事業計画書に加え、収支計画や資金繰りについても、妥当性を持った書面を用意しておかなければなりません。
(2)日本政策金融公庫の融資利用時の流れ
事前相談
日本政策金融公庫は、名前の通り日本全国に支店があります。まずは一番近い支店に足を運んで、自分の行おうとする事業は融資が可能なものなのか、各種の融資制度のうち、どの制度を利用するべきなのか、申請時に持参すべき書類はどのようなものか、など、事前に相談しておきます。
融資の申し込み
事前相談で情報を得られたら、必要な書類を揃えて融資の申込みをします。事前相談、融資申込みなど、日本政策金融公庫にはできるかぎり何度も足を運び、雰囲気に慣れておくことで、次の面接の際に緊張を減らす効果も期待できます。
面談
申込みに問題がなければ、面談に進みます。申請者にとっては、ここが融資申請一番の山場ではないでしょうか。事業計画書などを利用して、なぜ融資が必要となるのか、そしてどのような返済計画があるのかなどを担当者に伝えます。
申請者にとっては、と書いたのは、実際には事業計画書などの書類が重視され、面談は本人が借りたいという意志を持っているのか、人間的に貸しても大丈夫な人物であるのか、参考のために確認されるという意味合いが強いものだからです。もちろん、面談を通してできるかぎり多くの情報を収集しようと考えてもいるものですが。
口頭で伝えれば、事業計画書(創業計画書)が不十分でもなんとかなるだろうと考える方もいらっしゃいますが、融資に対して最終的な決断を下すのは、面談の担当者ではありません。決断を下す人まで自分の計画や思いが伝わるためには、やはりしっかりとした創業計画書やデータに裏打ちされた事業計画書という、目に見える資料が必 要なのです。書類が主であり、面談は従であるという意識で、書類準備には力を入れましょう。
結果の通知
面談に問題がなければ、融資実行の通知がなされます。
融資の実行
結果が通知されてから融資実行までは、事案によって異なります。数日で振り込まれるかもしれませんし、1カ月以上かかるかもしれません。
以上が、日本政策金融公庫を利用した場合の、融資申請のおおまかな流れになります。
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プロフィール
堤経営法務事務所(大分市明野)早稲田大学を卒業後百貨店に就職。その後、行政書士事務所・社会保険労務士事務所を開設。
名前:堤通孝
職業:中小企業の労務管理・行政法務のコンサルタント
ウェブサイトURL:http://www.d-b.ne.jp/~second-l/
メールアドレス:
kousunay@po.d-b.ne.jp
資格:特定社会保険労務士・行政書士・2級ファイナンシャルプランニング技能士