山上の木・・・出典「ツアラトウストラ」ニーチェ
ニーチェといえば「ニヒリズム」が有名ですね。しかし、この「ツアラトウストラ」には、それを克服すべくテーマが書かれています。この中でこの山上の木の章はニーチェの能動的な思想が分かりやすく現れている箇所で、話が感動的で私がもっとも好きな章ですね。
その内容は・・・・主人公のツアラトウストラが独り歩いていると、独りの疲れた眼差しの青年に出会った。彼はツアラトウストラに語りかけた。「わたしは高みへ身を伸ばそうと思いはじめてこのかた、もはや自分自身を信じることができない。わたしが高みに立つと、わたしは独りだ。わたしが高くのぼればのぼるほど、わたしはのぼっていくそのわたしを軽蔑する。いったいわたしは高みでどうしようというのだろう。高みに行くつくと、わたしはひどく疲れているのだ」
するとツアラトウストラはかたわらに立っている木をさして青年に答えた。「この木はこの山上に孤独者として立っている。これは人間と動物を越えて、高く生い立ち、もしこの木が語ろうとしても、理解する者はいないだろ。この木は雷電を待っているのだ。つまり高みにのぼろうと決意した瞬間にそれは危険への決意であり、やがて自分以上の強者に打ち負かされるのは必至であり、これこそが本望である」ツアラトウストラはさらに青年に語る。「君は今も自分が高貴だと感じている。そして君を不快に思う他の者たちも、やはりまだ君を高貴だと感じて妨害物と思っている。だが、高貴な者に一番の危険は・・・最高の希望を失った高貴な人の中には、あらゆる高い希望への誹謗者になる者がいる。高貴な者は志を得ないと、凡庸になることはないが、皮肉なすねものになり、わずか一日先の未来にも、目標を置かなくなってしまうのだ。かつて英雄になろうとしたかれらは、英雄が恨みと恐れの的である」
最後にツアラトウストラこう語り青年のもとを通り過ぎた。「君の愛と希望を投げ捨てるな。君の最高の希望を神聖視せよ!」
とかく事業をおこなっていると、ライバルとの死闘、成功者への嫉妬、孤独な迷いが生じてきますが、創業時の志は失わずにやり続けることの大切さを重ねあわせてしまいます。この章はふとニヒリズムに陥った時、励まされますね。
次回は「成り上がり」・・・出典は矢沢永吉をご紹介します。
それではそこのところ、ヨ・ロ・シ・ク・!
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