「高名の木のぼり」 ・・・徒然草より吉田兼好
鎌倉末期に吉田兼好によって著された随筆「徒然草」は、無常観に立ちながらも成熟した観察眼によって、自然・人間・社会を鋭く豊かに評論している作品は、現在テレビで流行のコメンテーターのバイブルのような本かもしれません。
さて今回はそのなかでも、「高名の木のぼり」の段落を紹介したいと思います。
「兼好法師が見ている前で、
名うての木登りの名人が、高い木の枝を切って下りてくる人に対して、軒くらいの高さまで下りてきた時、・・・あやまちをするな、注意しろと声をかけたので、
兼好法師は・・・もう飛び下りたって下りられるのに、どうしてそんな言葉をかけるのですか、と聞いた。
すると名人は・・・高いところにいる間は自分で十分注意するから言わないが、あやまちは、たやすい所でやることだからです、と答えた。
兼好法師はこの言葉に感心し・・・このことばは、聖人の教えにかなっている。」
と紹介しています。
会社経営においても、緊張感を持って業務を行なっている時は、案外ミスは起きないものですが、業務が終わりかけて気が緩んだときに、とかく失態を起す時があります。
また部下を指導する際にも仕事の途中でいつも声を掛けるのではなく、このように部下の業務全体を観察し、部下の気の緩みそうな時こそ声を掛けてやる方が、大切だと思います。
兼好法師が、この会話のやり取りに注目した観察眼はさすがです。
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