第27章 「蜘蛛の糸」・・・ 芥川龍之介2011/03/02
日本の作家に最も栄誉のある「芥川賞」のシンボルになっている作家、芥川龍之介によって大正7年に作られた作品からです。この中から今回とりあげた「蜘蛛の糸」という作品は、人間の持つ利己主義と浅ましさをあらわしていて、いざとなった場合誰もが同じ行動をとってしまうだろうと思わざるを得ない、人間の本質をつく作品です。
あらすじは、生きていた時の罪により地獄の底にいた主人公の健陀多は蜘蛛を救ったことにより、お釈迦様から蜘蛛の糸による地獄から極楽に行く救いのチャンスを与えられる。健陀多はこの蜘蛛の糸をスルスルとかなり登り、このまま行くと地獄から抜けるのも、もう少しと思っていたが、なんと糸の下の方から無数の罪人が同じように登ってきて、今にも糸が切れそうに思えた。そこで・・
「健陀多は(こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は俺のものだぞ。お前たちは一体誰に尋ねてのぼってきた。下りろ。下りろ。)と喚きました。その途端でございます。今まで何ともなかった蜘蛛の糸が、急に健陀多のぶら下がっている所から、ぷつりと音を立てて断れました。健陀多もあっと云う間もなく風を切って独楽のようにくるくるまわりながら、見る見る中に暗やみの底へ、まっさかさまに落ちてしまいました。
後には極楽の蜘蛛の糸が、きらきらと細く光りながら、月も星もない空の中途に、短く垂れているばかりでございます。」
健陀多には最後チャンスであったが、やはりお釈迦様の「蜘蛛の糸」=「慈悲の心」を理解できなかったようです。
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